歩兵戦闘車(ほへいせんとうしゃ(IFV:Infantry Fighting Vehicle 又は ICV:Infantry Combat Vehicle))は、車内に歩兵を乗せることができる装甲戦闘車両(AFV)。装甲兵員輸送車(APC)との違いは積極的な戦闘参加や乗車歩兵の乗車戦闘を前提としている点。
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近代の戦場における歩兵の移動には半装軌車(ハーフトラック)や、トラックが使われてきたが、不整地(オフロード)における戦車の移動速度が向上したため、共に行動することが難しくなった。また、第二次世界大戦前の用兵思想の変化から兵員輸送車両も移動中に砲火を浴びたり、直接戦闘に参加する場合が多くなり、防御力の付加を必要とした。そのため、装甲化された半装軌車や、無限軌道による装甲兵員輸送車が生まれたが、これらは武装として機関銃程度しか装備しておらず、歩兵支援には火力が足りないという欠点もあった。
これらを解決すべく、分隊規模の兵員輸送能力を持ち、積極的な戦闘参加と歩兵の乗車戦闘を可能とするBMP-1が誕生した。このコンセプトは西側に衝撃を与え、類似の車両が次々と登場した。これを歩兵戦闘車という。戦車を援護している歩兵を更に援護するため、機関砲による火力支援や対戦車ミサイルによる限定的な対戦車戦闘を行うことが任務である。その目的上、基本的には大口径機関銃から機関砲に耐えられる程度の装甲防御力を備えることが多い。
現在では先進国の正規軍で多く配備、使用されているが、中小国においては特に冷戦期に東側陣営が供与したものが現在でも使用されていることが多い。
その多くは、浮航性を得るために車体は軽量なアルミ合金で作られているが、装甲強化などの改良による重量増大で浮航性を失ったものも多い。そのため最近になって新規開発されたIFVは浮航性をあきらめ戦車同様の素材を用いる事が多い。特に人命を重視する西側ではこの傾向が顕著であり、89式装甲戦闘車やプーマが典型例である。
また歩兵の乗車戦闘を可能とするためにBMP-1をはじめIFVの多くがガンポート(銃眼)を備えている。これにより歩兵に銃架と視野を与え乗車戦闘を可能した。これは戦闘能力向上とともに核戦争などNBC兵器で汚染された環境への対処として要求されたものである。しかし装甲に穴を開けることで強度が低下する割には付加できる戦闘能力があまりにも限定的なため、新型車両ではあえてガンポートを付けないこともある。装甲強化の要求も非対称戦争増加の時勢から高まる一方であり、既存の車両においても追加装甲でガンポートを塞ぐ例が増えている。